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終活映画★棺おけ買ってバス移動!ロシア映画「私のちいさなお葬式」

(C)OOO≪KinoKlaster≫,2017r.

日本では十数年前から終活ブームが続いていますが、「家族に迷惑をかけたくない」「自分のことは自分で決めたい」という思いは全世界共通のようです。今回は、ロシアの一風変わった終活映画「私のちいさなお葬式」をご紹介します。

日本での公開は2019年の12月なのですが、この作品はすでに複数の国際映画祭でさまざまな賞を受けている話題作です。笑えて泣けてほっこりできてちょっと悲しくて…。親子の愛情について再確認できる終活映画とも言えるでしょう。

あらすじ

小さな村に一つしかない学校の先生を長年していたエレーナは今73歳。定年後は好きな本を読みながらのんびり暮らしていましたが、ある日病院で余命宣告を受けてしまいます。「都会で忙しくしている息子に迷惑はかけられない!」と思ったエレーナは、自分のお葬式準備に奔走します。

生きているのに無理やり死亡診断書を手に入れ、自分好みの棺おけを買い、亡き夫の隣に墓穴を掘って…。とにかくできることは全部やろうと決めたエレーナは大忙し!そしてお葬式の準備万端となったところで、予期せぬ問題が発覚してしまいます。

MEMO

  • 終活映画とは、人生について考えさせられる終活の参考になるような映画のことです。
  • ここから先はネタバレが含まれていますので、まだ映画を見ていない方はご注意ください。

余命宣告を受けた帰りにもらった鯉

(C)OOO≪KinoKlaster≫,2017r.

エレーナは、ロシアの小さな村で長年先生をしていたので村は教え子だらけです。病院で余命宣告を受けたのも、そんな教え子の一人からでした。「いつ心臓が止まってもおかしくない」と言われて、キョトンとするエレーナ。あらまぁ、どうしましょ…といった感じで、嘆き悲しむようなこともなく淡々としています。

病院からの帰り道、釣りをしていた元教え子に大きな鯉を押しつけられて、仕方なく家に持ち帰ります。そしてその鯉を冷凍庫に入れたとたん、エレーナは発作を起こしてその場に倒れてしまいます。

エレーナが病院で目を覚ますと、都会で働いている息子オレクが迎えに来てくれていました。5年ぶりに会えたのでとても嬉しそうなエレーナですが、息子は仕事が忙しいのと口うるさい母親から逃れたいのとで早く帰りたそう。エレーナは冷凍していた鯉を夕食にしようと台所に置きましたが、オレクは食事もせずにすぐに帰って行ってしまいました。落胆するエレーナ…。

その夜、物音で目が覚めて台所に行ってみると、鯉が息を吹き返して暴れていました。それを見たエレーナは、大きなたらいに鯉を移して飼うことに。

この映画の原題は「Карп отмороженный」なのですが、日本語訳は「解凍された鯉」です。邦題は「私のちいさなお葬式」なのであまりの違いに驚いてしまいますが、鯉がタイトルになっているくらいですので、この鯉がのちに重要な役割を果たします。

お葬式の準備は強引で必死

(C)OOO≪KinoKlaster≫,2017r.

余命宣告されたことを息子にも友だちにも告げずに、エレーナはたった一人でお葬式の準備をすることに決めました。元先生だけあってエレーナは仕切り屋さんなので、一度決めたら素早く行動に移します。

翌朝、台車を引きながら家を出てエレーナの終活はスタートしました。教え子たちに協力してもらいながら、無謀と思われるようなお葬式の準備もエレーナは次々に成功させてきます。

エレーナのお葬式準備

  • お葬式のお金の用意
  • 死んだふりして死亡診断書を入手する
  • (墓地の確保のため)埋葬許可証をもらう
  • 好みの赤い棺おけを選んでバスで運ぶ
  • 夫の隣に墓穴を掘ってもらう
  • 食材の買い出しをする
  • 弔問客用の料理を友だちと一緒に作る
  • 身支度をして死化粧をする

これをたった2日でこなしたエレーナはものすごい行動力がありますよね。お隣に住んでいる口の悪い親友リュドミラから「あんたは一人で何でもできる」と、嫌みを言われるだけあって、エレーナはしっかりしていて人に頼ることがないのです。

この終活の様子から、エレーナが今まで強い信念を持って生きてきたことがわかりますよね。息子が都会に出てビジネスで大成功を収めていることも、多少寂しい気持ちはあったとしても、望み通りに違いありません。十分人生をやりきった気持ちがあるからこそ、仕事をこなすように淡々とお葬式の準備を進めているように見えます。

それからエレーナを突き動かしているエネルギーは、息子オレクに対する「迷惑をかけたくない」という深い愛情からでしょう。もういい大人になった子どもでも、親にとってはいつまでも子ども。子どもの人生の邪魔をしたくないというエレーナの気持ちを思うと、なんだか切なくて胸が熱くなります。これは世界中どこにでもある子どもへのいつまでも変わらない親の思いではないでしょうか。

悲劇と喜劇は隣り合わせ

(C)OOO≪KinoKlaster≫,2017r.

エレーナはとにかく一生懸命にお葬式の準備をしているのですが、本人ががんばればがんばるほど周りからはおかしな光景に見えるというシーンがいくつも出てきます。死んだふりをして死体安置所に横たわって、死亡診断書を入手するというのも、とんでもない無茶ですが、その必死さを見ると笑ってばかりもいられません。

埋葬許可証をもらうために訪れた戸籍登録所で、結婚式に遭遇したシーンもその美しさとともに印象に残ります。自分は余命宣告を受けて終活していて、これから棺おけを買おうとしているときに赤い風船なんかもらってお祝いのドリンクを飲んでるんですから。

それから棺おけをバスに乗せて運んでいるときに、ちょっと不良っぽい女の子たちから「かっこいい!」と言われて写真を撮られたときにも、エレーナはとても不思議そうな顔をしています。棺おけをバスで運んでいるエレーナの方がよほど不思議に思えますが、やっている本人は真剣そのものなので、周りの気持ちには気づかないのです。

自分の墓穴を掘ってもらっているときに、エレーナがミミズを発見して大切そうにハンカチに包むシーンもおかしな雰囲気です。この様子を見ている墓掘り人が「この人何やってんだ…」と呆れたような顔をしていますが、エレーナは鯉のエサが見つかってちょっと嬉しそうなのです。

このようにこの映画には全体的にクスッとくるようなとぼけた笑いのシーンが多いので、古き良き日本の映画に通ずるような世界観があります。終活に取り組んでいる本人にとっては真剣な行動でも、他人から見れば不思議な行動というのは、実際によくあることなのでしょう。どんなお墓に入ろうかと考えるのも、終活では当たり前のことですが、端から見るとコメディなのかもしれません。

悲劇と喜劇が隣り合わせであちこちに転がっているのが、世の常というものですよね。

終活に必要なことはやる気、お金、友、音楽、そして…

(C)OOO≪KinoKlaster≫,2017r.

ロシアと日本という違いはあるものの、エレーナの行動を通して一人暮らしの方にとって終活に必要なことがいくつか見えてきました。まずは「やる気」を持つことがスタートです。自分についてのこだわりがないと、なかなか生前に終活をしておこうというという気持ちにはなれませんものね。

それから「お金」は当然必要なのですが、終活することで自分の気持ちをお葬式やお墓に直接反映できるため、できそうなことは済ませておくなどすれば無駄を省ける部分が出てきそうです。エレーナのように棺おけを選んで自分で運ぶ、とまではいかなくても…。

エレーナは一人暮らしなので終活には「友」も非常に大切な要素となりますが、ご家族と一緒に暮らしている方にとっては「家族」もとても大切であることは言うまでもありません。そして家族が遠方に住んでいてなかなか会えなくても、頼れる友が近くにいるだけで終活はスムーズになるでしょう。

お葬式の準備をすべて終え、あとは死ぬのを待つだけとなったエレーナは、お気に入りの音楽をかけて好きな服に着替えてキレイにお化粧します。そして一人でご機嫌な様子でダンスをするのですが、なんとこの時流れる曲が日本の往年のヒット曲「恋のバカンス」ロシア語版なのです。

ロシア語版なので、歌っているのはザ・ピーナッツではありませんが、もの悲しくてポップな雰囲気はそのまま。ロシアでも昔大ヒットしたこの曲は、今でも広く国民に親しまれています。「恋のバカンス」が日本の曲とは知らないロシアの方も多いくらい有名なのですが、日本の歌謡曲がロシアでこれほど親しまれているのは嬉しいことですよね。

エレーナが親友リュドミラに「良い友人に恵まれて私は幸せでした」と言いながら動画を撮ってもらうシーンは、涙なしでは見られません。これを見て自分の終活の時にも大切な友だちにきちんと「ありがとう」と言おうと思いました。普段は照れくさくてなかなか言えないことでも、終活という大義名分があればおもいきって言えそうですから。

人生でやり残した大切なこと

(C)OOO≪KinoKlaster≫,2017r.

家族や友だちの関わりが人生の締めくくりに大切だということは、国は違えどよく伝わりました。それからもう一つ、この映画が伝えたかったのは「やり残したことはないか」という問いかけではないでしょうか。

「私のちいさなお葬式」では、終活には熱心なエレーナですが、息子オレクとの関係はけっして良いとは言えません。悪くはないけれど疎遠なまま…そのまま天国に召されようとしています。死んでしまったあとは、もう本音を言う機会もなくなるのに、それでも息子に本音をぶつけることがないのです。

親子はお互いに相手を思っているのに、離れて暮らす生活に慣れてしまってもう気持ちを素直に言うことさえできない…このもどかしい状況を、「解凍された鯉」が起こす出来事がどのように変えていくのかが見どころの一つです。凍りついている親子の関係は、鯉のように奇跡的に解凍されるのでしょうか。

エレーナは大きなメガネとベレー帽がとってもお似合いで、マンガから飛び出してきたようなキャラクターなので、そのかわいらしさからも目が離せません。この映画は、終活において大切なことがわかるだけでなく、母と子の関係を見直すきっかけにもなる幅広い世代にオススメできる映画です。

映画を見た後は、離れて暮らすお母さんや子どもの声がきっと聞きたくなりますよ。

(C)OOO≪KinoKlaster≫,2017r.

「私のちいさなお葬式」の作品情報

出演者:マリーナ・ネヨーロワ(エレーナ)、エヴゲーニー・ミローノフ(オレク)、アリーサ・フレインドリフ(リュミドラ)/監督:ウラジミール・コット/脚本:ドミトリー・ランチヒン/音楽:ルスラン・ムラトフ/制作年:2017/制作国:ロシア/上映時間:100分/原題:Карп отмороженный/英題:Thawed Carp/配給:エスパース・サロウ/公式サイト/(c)OOO≪KinoKlaster≫,2017r.

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